みなさん、こんにちは。サポート部の夘野です。今年も残すところあとわずかとなりました。師走の慌ただしさの中、皆様いかがお過ごしでしょうか。本格的な冬の寒さとなりましたが、お風邪など召されませんようご自愛ください。
さて、今回は2024年に登場した最新のWi-Fi規格であるWi-Fi7(IEEE 802.11be)について解説いたします。
2023年にWi-Fi6Eを説明したばかりの為(Note Vol.17「Wi-Fiの速度が大幅にあがるかも!? Wi-Fi6Eについて」)、「もう次の規格?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、Wi-Fi7は「便利だけど不安定」だったこれまでの無線のイメージを覆し、「有線LANの代替」となる可能性を秘めているゲームチェンジャーとして期待されています。
この記事では、Wi-Fi7がなぜそれほど革新的なのか要点を絞って解説します。
Wi-Fi7の「本命」技術です。
従来のWi-Fiは2.4GHz、5GHz、6GHz のうち「どれか1つ」の帯域を選んで通信していました。
MLOは、これらの複数の帯域(リンク)を「同時に」使って通信する技術です。
これにより、片方の帯域(例:5GHz)が干渉で不安定になっても、瞬時にもう一方のクリーンな帯域(例:6GHz)に切り替えて通信を継続します。これにより、通信が途切れにくくなります。
この「途切れない」という特性こそが、Wi-Fi7が「有線並み」の信頼性を手に入れた最大の理由です。
また、後述する通信速度にも影響を与える機能になります。
Wi-Fi7の理論上の最大通信速度は脅威の46Gbpsであり、これはWi-Fi6Eの「9.6Gbps」の約5倍とまさに桁違いの理論値です。
もちろん、これは複数の技術を最大構成で組み合わせた理論上の数値です。そこで、サポート部の試験環境で実際に速度を測ってみました。
【テスト内容】:ルーターから1m離れた地点でタブレットをMLOでWi-Fi接続し速度測定
【使用ルーター】:A社製Wi-Fi7 6GHz MLO対応ルーター
【使用タブレット】:X社製Wi-Fi7 6GHz MLO対応タブレット
【使用回線】:NCT 光10G回線
▶結果:Wi-Fi7ルーター
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 | |
| 通信速度(下り) | 3164Mbps | 3081Mbps | 2122Mbps | 2789Mbps |
| 通信速度(上り) | 2087Mbps | 2047Mbps | 1957Mbps | 2030Mbps |
比較対象として、Wi-Fi6EやWi-Fi6でも速度を測ってみました
▶結果:Wi-Fi6Eルーター
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 | |
| 通信速度(下り) | 1691Mbps | 2007Mbps | 1487Mbps | 1728Mbps |
| 通信速度(上り) | 1615Mbps | 1708Mbps | 1603Mbps | 1642Mbps |
▶結果:Wi-Fi6ルーター
| 1回目 | 2回目 | 3回目 | 平均 | |
| 通信速度(下り) | 801Mbps | 743Mbps | 847Mbps | 806Mbps |
| 通信速度(上り) | 462Mbps | 447Mbps | 657Mbps | 522Mbps |
いかがでしたでしょうか。やはり理論値近くは出ませんが、それでも従来の規格と比べると圧倒的な通信速度であることが分かりますね。
なお、ルーターから距離が離れるとその分速度も低下する為、離れたお部屋で利用の際は注意して下さい。
今回はWi-Fi7の特徴を簡単に説明させて頂きましたがいかがでしたでしょうか。
尚、Wi-Fi7のスペックをフルに発揮する為には、光10G回線に加えルーターと利用端末がMLO機能と周波数6GHz帯に対応している必要があります。
ご自身で機器を用意する際には、こちらに気を付けて選ぶようにしてください。
また、NCTでWi-Fi7を快適に利用するには光10G回線が必須です。ご興味のある方はお気軽にインターネットお問い合わせ窓口(0120-940-920)までお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。それでは皆様よいお年を!
※本ページに掲載している情報は、2025年12月12日時点のものです。